🌿黒い食材やネバネバした食品が効果的
「耳鳴り・難聴を自力で治す最強辞典」から、りゅうえい治療院副院長・鍼灸師・管理栄養士 立花愛子先生おすすめの方法を抜粋してご紹介します。立花愛子先生は鍼灸治療とともに東洋医学の薬膳をを取り入れた栄養指導を行なっています。
鍼灸師として、栄養管理士として、日頃どんなものを食べると役立つのかについて、お話ししましょう。
まず、重要なのが「腎(じん)」の働きです。
腎とは、西洋医学でいう腎臓のことだけではありません。
東洋医学の腎は、腎臓の機能だけでなくもっと広い概念です。
腎は生命エネルギーの根源であり、その貯蔵庫ともなる場所です。
老化や過労によって、腎の機能が低下すると、体内のホルモン分泌や生殖機能、体内の水分代謝などの機能も低下します。
耳の症状もそれに関連して起こり、老人性難聴はその代表的な症状といえます。
腎の機能低下の原因は主に老化ですから、対策としては滋養強壮効果の高い食品を食べることが重要です。その目安となるのは次の5つです。
①黒いもの・・・黒ゴマ、黒豆、ヒジキ、ノリなど食品の色が黒いもの
②実・種・・・大豆、クルミ、栗、ヒマワリの種、各種ナッツ類など。
③ネバネバしたもの・・・納豆やオクラ、海藻類など。
④苦いもの・・・肝(キモ)の仲間と考えて下さい。
⑤塩辛いもの・・・しょうゆなど塩辛いもの、塩分を摂りすぎないよう調整します。
「耳が若返る常備菜」の作り方
この5つの要素が当てはまる食材を使った常備菜を紹介します。
◉クルミ黒ゴマペースト
刻んだクルミ30gと黒ゴマ30gを一緒にすり鉢でする。これにハチミツを加えたり、ヨーグルトに入れたりしてとる。
◉黒豆の黒砂糖煮
黒豆200gを水に漬けて一晩おく。そのまま火にかけ、柔らかくなったら100gの黒砂糖を加える。水気がなくなるまで煮詰めたら完成。
◉長芋の漬け物
しょうゆ・みりん・酢を大さじ6ずつ、好みで細切りした昆布を保存容器に入れる。
長芋は皮をむき、縦半分に切って保存容器で漬け込む。冷蔵庫で一晩おいたら完成。
🌿常温以上で食べることも重要
ご紹介した3つの常備菜は、温かい状態か常温で食べることをお勧めします。
冷たいものを食べすぎると、消化器が弱り、水分代謝が悪くなります。
耳の症状はいずれも水分代謝と関連があります。
外からの音は、耳の内耳の蝸牛(かぎゅう)という場所で、電気振動に変換され、脳へ伝えられます。
蝸牛内のリンパ液は循環しているため、水分代謝が低下して体内で水分が停滞すると、リンパ液の循環も悪化して、耳の機能に影響が出るのです。
体内の水分代謝を悪化させないためにも、滋養強壮効果のある食材を、少なくとも常温以上で食べましょう。
なお、お勧めの食材ばかり食べずに、毎日のメニューに組み込んで、バランスよく食べることが重要です。