耳鳴り・難聴を自力で治したい人のブログ

「耳鳴り・難聴を自力で治す最強辞典」から専門医が伝授する24の極意をご紹介します。

耳鳴り・難聴は専門医の治療法で改善|耳鳴り・難聴はなぜ起こるのか?-3

危険な難聴とそうでない難聴の見分け方

「耳鳴り・難聴を自力で治す最強辞典」から、JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長 石井正則(まさのり)先生おすすめの方法を抜粋してご紹介します。

危険な難聴とそうでない難聴

危険な難聴とそうでない難聴

耳鳴りの人の9割が難聴を併発

患者さんの中には「耳鳴りはしているが、聞こえは悪くない」という人もいます。

私自身の臨床結果と照らしあわせても、耳鳴りを訴えている人の9割には、難聴の症状が見られるといっても過言ではありません。

難聴は、聞こえにくくなる「音域」によって分類できます。

高い音域が聞こえにくくなる状態を「高音性難聴」、低い音域が聞こえにくくなる常態を「低音性難聴」といいます。

高音性難聴/電話の呼び出し音が聞きにくい

高音性難聴/電話の呼び出し音が聞きにくい

高音性難聴は電話の呼び出し音やささやき声、鈴虫の鳴き声などが聞こえにくくなります。

低音性難聴は、車の走行音や波の音などが聞こえにくくなります。難聴とともに、耳閉感(耳が詰まったような感じ)を伴うこともあります。

中音声難聴は、ピアノなど楽器の音が聞こえにくくなったり、人と会話する時聞き返すことが多くなったりします。

また、音が聞こえなくなる「原因」によって難聴を分類することもできます。

“音を伝える部分” である外耳から中耳のルートに障害が起こって生じる難聴を「伝音難聴」といいます。


伝音難聴は、耳垢が詰まった状態や、中耳炎、鼓膜(こまく)の損傷、耳小骨(じしょうこつ)の異常などからも起こります。

一方、“音を伝える部分” の内耳から大脳へと通じるルートに障害が起こって生じる難聴を「感音難聴」といいます。

感音難聴は、老人性難聴や騒音性難聴のほかに、突発性難聴(なんの前触れもなく、突然に片方の耳の聞こえが悪くなる病気)や、メニエール病(内耳が水膨れをおこし、耳の神経に障害を起こす病気)などによって起こります。

一般的には、伝音難聴は難聴の原因を取り除いて適切な治療を行えば、聴力が回復するケースがかなりあります。

感音難聴のほうが治療が難しいケースが多いといえます。


老人性軟調は高音域から始まる

老人性難聴は高音域から

老人性難聴は高音域から

難聴で最も一般的なのが老人性難聴で、近年患者さんがかなり増えています。

老人性難聴は、高音域から聞こえにくくなります。

・電車やバスで女性のアナウンスが聞き取れない。
・話している時に子音を聞き間違えやすいといった傾向があります。

その後、進行すると聞こえにくい範囲が中音域、低音域へと広がっていきます。

老人性難聴は「加齢性難聴」ともいいます。

50代から現れ始めますが、早い人では40代前半から症状が出始める人もいます。

老人性軟調の場合、進行を止めることはできませんが、早めに耳鼻咽喉科で診断を受けることが大切です。

また、「騒音性難聴」という病気もあり、製鉄所や工事現場など、騒音が大きな場所で長年仕事を続ける人がなるもので、「職業性難聴」ともいいます。

工事現場などでの騒音性難聴

工事現場などでの騒音性難聴

騒音性難聴は、いったん悪化すると聴力回復が難しいので、耳栓などで耳の保護に努めるとともに、定期的に聴力検査を受ける必要があるでしょう。

大きな音刺激で急激に聴力の低下が起こるものを「音響外傷」といいます。

大音量のロックコンサートに行ったり、ヘッドホンのボリュームを一気に上げたりした時などに起こります。

こうした場合、翌朝までに症状が治まっていれば、まず問題ないでしょうが、治らない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

こんな症状があったら、耳鼻科へ行こう!

こんな症状があったら、耳鼻科へ行こう!

「パチン」と弾ける音には要注意!

ただちに病院を受診し、治療を受けた方がよい病気があります。その1つが「突発性難聴」です。

突発性難聴は、なんの前ぶれもなく、ある日突然、片方の耳だけに起こる特徴があります。

病状の現れ方もまちまちで「朝起きたら耳がきこえなかった」「キーンという耳鳴りがして、音がきこえなくなった」などさまざまです。

突発性難聴になったら、早い治療が非常に重要です。

発症後2週間を経過すると回復が難しくなりますから、緊急を要する病気と心得て下さい。