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[ 生活習慣2] 内耳を柔軟にする歩き方
「快聴ウォーキング」で耳鳴り・難聴が改善!
国際医療福祉大学病院耳鼻咽喉科教授 中川雅文(なかがわまさふみ) -
🚦半年歩けば動脈硬化が顕著に改善
都会と地方では、どちらが難聴になりやすいと思いますか?
最近では都会より地方で難聴に悩む人が増えている。その原因は車にあった。
地方の方が、圧倒的に車に依存した生活が多く、歩く機会も少なく運動不足に陥っている。
その為歩く頻度が減り→運動不足となり→代謝・血行が悪化する→体重が増加傾向となり→肥満となる→そして動脈硬化が進行する。
こうして内耳の末梢血管で動脈硬化が進行した結果、耳鳴り・難聴が引き起こされる。
私は耳鳴りや難聴の患者さんに、動脈効果を改善させるセルフケアの1つとして「ウォーキング」を勧めている。
「ウォーキング」は1日60分歩くのが理想だが、最初は30分を目標に、最低でも週に3~4回は歩き、回数や時間を徐々に増やしていくと良い。
「ウォーキング」を半年続けた患者さんの頸動脈の血管の厚みを測定すると、運動前に比べ血管壁の厚みが0,1mm以上も減っていた人が多数いた。
血管壁の厚みが0,1mm以上も減るというのは、動脈硬化が顕著に改善したということ。
「ウォーキング」を半年続けた患者さんには、難聴や耳鳴りの症状が軽くなったり、消失したりした人も出てきた。🚦耳栓を軽く耳に入れて歩くだけ!
- ウォーキングの効果をさらに高める秘訣がある。それが、耳栓をしてやや速めの速度で歩く「快聴ウォーキング」です。
耳栓をして歩くことで、内耳にあるアブミ骨筋という筋肉が柔軟になる効果が期待できます。
アブミ骨筋は、鼓膜から伝わった振動を増幅・抑制し、調整する働きをしています。
アブミ骨筋がうまく働かなくなると、騒音の制御ができなくなり、難聴や耳鳴りを引き起こす危険性が高まります。
難聴や耳鳴りの予防・改善のためには、このアブミ骨筋を柔軟に保つ必要がある。
耳栓をして歩くと、自分の足音が骨を介して聞こえ、アブミ骨筋が足音を遮断しようとしてアブミ骨筋の柔軟運動につながる。
ウォーキングは、動脈硬化の改善はもちろん、難聴や耳鳴りの予防・改善の対策として、非常に有効です。
※快聴ウォーキングの耳栓は、綿を丸めたものが良く、音が完全に遮断しないよう軽く入耳にれる。普通の耳栓では車などの音が聞こえず危険。