極意その3.聴力が2倍にアップする「耳ひっぱり」(特効ポイント)
聞こえが良くなり耳鳴りも改善
「耳鳴り・難聴を自力で治す最強辞典」から、国際医療福祉大学病院耳鼻咽喉科教授 中川雅文(なかがわまさふみ)先生おすすめの方法を抜粋してご紹介します。
🚦その場で聞こえの違いを実感
年をとると、耳の位置も、若い頃より1cmほど低下します。
この影響で真っ直ぐだった耳の外耳道(がいじどう)も、途中で折れ曲がっていきます。
また耳の穴の形も変わり、丸かった穴が、年とともに扁平にひしゃげてくるのです。
音の通り道(耳の穴)がいびつに狭くなり折れ曲がるため、音の振動が伝わりにくくなります。
このような難聴改善のためお勧めしているのが「耳ひっぱり」です。
耳ひっぱりを行うと、耳の穴が大きくなって外耳道がまっすぐになり、
音が大きく、クリアに聞こえるようになります。
<耳ひっぱりのやり方>
①反対側の指で、耳の上をつまむ
②軽く上にひっぱって、20~30秒間その姿勢を保つ
③左右の手と耳を入れ替えて、反対側も同様に行う
※起床時と就寝時、または風呂上がりなどに、1日2回行う。
※肩や腕に痛みのある人は、同じ側の手でひっぱってもいい
耳ひっぱりを行えば、耳全体の柔軟性が増し、雑音も拾いにくくなります。
さらに、耳周辺の血流が回復すれば、耳の機能の回復も期待できるでしょう。
高齢者の多くが悩む加齢性難聴も、聞こえにくくなった高音域の音に気づき、耳と脳への良い刺激となります。
【 耳ひっぱりによる聴力回復の実験 】
❶耳ひっぱりで、通常3~6デシベル程度上がることがわかりました。
6デシベルとは、聞こえる音の大きさが2倍になったということです。
❷後方に耳をひっぱると、4000ヘルツ以上の高い音の聞こえが良くなることも確認できた。
🚦体の痛みが耳鳴りの原因になることも
海外の最新研究では、体の痛みが耳鳴りに化ける人が多数いることが分かっています。
例えば交通事故でムチウチ症になり、2ヶ月後に耳鳴りが始まる人、ひざ痛や腰痛が改善し、1~2年たって急に耳鳴りが始まる人もいます。
これらの体の感覚から生じる耳鳴りを「体性感覚の耳鳴り」といいます。
鍼灸や整体、ウォーキングなどで耳鳴りが和らぐ人は、「体性感覚の耳鳴り」の可能性があります。
こうした人は、耳ひっぱりがよく効く可能性が高いでしょう。